介護ベッドの補助金は?レンタル・購入時の自己負担額や介護保険制度の仕組み
介護ベッド(特殊寝台)などの福祉用具は、高齢者や介護が必要な方とそのご家族にとって大きな助けとなるものですが、決して安い価格ではないため、国や自治体によって様々な支援制度が設けられています。
そこで今回は、介護ベッドのレンタル・購入時に自己負担を抑える方法について解説します。利用可能な補助金や介護保険制度の仕組み、自己負担額の事例、手続きの流れについてご紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。
目次
介護ベッドのレンタル・購入時に受けられる補助金
介護ベッドのレンタル及び購入時に受けられる補助金は、介護保険制度の福祉用具貸与や障害者日常生活用具給付が該当します。またこの他にも、自治体や社会福祉協議会が独自で行っているサービスもあります。
介護保険制度を利用した補助金については、厳密には補助金ではなく助成金という扱いで、条件を満たせば費用の7割〜9割が支給されます。条件や自己負担額については次で詳しくご紹介していきます。
ちなみに助成金と補助金の違いについてですが、助成金は条件を満たせば原則受給でき、対して補助金は条件を満たしていても審査を通過しなければ受給することができません。介護ベッドのレンタルで給付されるお金は助成金となりますので、条件さえ満たせば誰でも受給することが可能です。
介護ベッドのレンタルで利用できる介護保険制度
介護保険制度は、家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に2000年に創設された制度です。健康保険と同様に加入者がお金を出しあって、介護が必要な方に対して、様々なサービスの提供や補助金・助成金の給付を行う公的社会保険となっています。
ここでは、介護ベッドに適用可能な介護保険制度について、制度の仕組みや受給条件、自己負担額について見ていきましょう。
介護保険制度の仕組み・サービス内容
介護保険制度は満40歳に達すると被保険者となり、健康保険料とあわせて介護保険料の支払いが開始されます。運営主体は各市町村・特別区で、支払われた保険料と税金で運営されています。
また、介護保険制度は病気にかかるリスクなどの観点から年齢で2つのグループに分けられており、65歳以上の方が第1号被保険者、40歳から64歳までの方が第2号被保険者に分類されます。
被保険者 | 年齢 | 徴収方法 |
---|---|---|
第1号被保険者 | 65歳以上 | 原則、年金から天引き |
第2号被保険者 | 40〜64歳 | 【健康保険加入者】 給与・賞与から健康保険と合算して天引き 【国民健康保険加入者】 |
介護保険制度のサービス内容については、介護ベッドなどの福祉用具に関するサービスの他に、住宅改修や施設に関するサービス、居宅介護支援などがあります。
【介護保険制度のサービス内容まとめ】
- 介護ベッドなどの福祉用具レンタル・購入に関する助成金
- 手すりやバリアフリーなど住宅改修への補助金
- デイサービスやショートステイ、訪問リハビリなど居宅型サービス
- 特別養護老人ホームなど施設入居サービス
- ケアプラン作成など居宅介護支援
介護保険制度のサービス対象者
介護保険制度のサービス対象者は原則として第1号被保険者に限られ、原因にかかわらず、要支援・要介護状態になった場合にサービスを受けることができます。ただし、第2号被保険者でも老化に起因する病気(特定疾病※)で介護認定を受けた場合はサービスを受けることが可能です。
つまり、介護ベッド利用時に金銭的な補助を受けるには、40歳以上かつ要介護認定されていることが条件となります。
※特定疾病…がん(末期)・骨折を伴う骨粗鬆症・初老期における認知症・脳血管疾患・関節リウマチなど国が定めた16の疾病
また、対象者だからといって全てのサービスが平等に受けられるわけではなく、要介護の段階や課税所得によって異なります。
要介護認定は、主治医の意見書または認定調査員による調査を基に、コンピューターでの一次判定、介護認定審査会での二次判定を経て、介護の必要性の程度などで要支援1〜2・要介護1〜5に分類されます。
そして、介護ベッドの助成金は、要介護2〜5に認定された方が利用対象者となります。
ただし、要支援1〜2・要介護1のいわゆる軽度者と判定された場合でも、要介護認定調査における基本調査結果によって使用が想定される状態像だと判断された場合は、助成金の対象となるケースもあります。
【介護ベッドのレンタルに関する要件】
利用対象者:要介護2〜5に認定された方
※ただし例外あり
介護ベッドをレンタルする際の自己負担額
介護保険制度を利用して介護ベッドをレンタルする際の自己負担額は原則1割負担となります。つまり、費用の9割は助成金にてまかなうことが可能です。ただし、前年度の課税所得によっては自己負担額が2割あるいは3割となります。
例えば40万円の電動ベッドを自己負担1割でレンタルした場合、毎月の自己負担額は1,000円前後が相場となります(ベッドの種類や附属品によって金額は変動します)。
介護保険利用の場合 | 自費購入の場合 | |
---|---|---|
月額レンタル料金 | 自己負担額 | |
10,000円前後/月 | 1,000円前後/月 | 400,000円 |
介護ベッドを購入する際の自己負担額
介護保険を利用して購入できるのは特定福祉用具として指定されているものに限定され、介護ベッドは特定福祉用具に該当しません。そのため、介護ベッドを購入する場合は介護保険制度が適用されず、全額自己負担となります。
なお特定福祉用具として認められているものは、レンタルに適さない排せつや入浴に関わるアイテムです。
介護保険制度を活用すれば、介護ベッドは購入よりもレンタルの方が経済的に有利ですし、状況に応じて途中で交換することもできます。しかし、好みに合わせて自由に選びたい場合や、汚れや破損に対して気を遣ってしまうという場合、他人が利用したものを再利用することに抵抗がある場合(ただし、前の利用者からの返却後は、管理された施設で洗浄・除菌処理されますので、衛生面は問題ありません)は、購入した方が精神的なストレスが少なく済むため、両方のメリットとデメリットを考えて検討すると良いでしょう。
介護保険を利用して介護ベッドをレンタルする流れ
次に、介護保険を利用して介護ベッドをレンタルする流れについてご紹介していきます。
ステップ①:要支援・要介護の認定
介護保険の助成金を使って介護ベッドをレンタルするには、まず要支援・要介護認定を受ける必要があります。申請手続きはお住まいの地域にある地域包括支援センターにご相談ください。申請後、認定調査員が自宅または病院などに訪問し、身体機能や認知機能を確認後、約1か月程度で認定結果が通知されます。
ステップ②:貸与事業者へ申し込み
介護ベッドのレンタル窓口は、福祉用具の貸与事業者となります。貸与事業者の担当者が自宅などに訪問し、利用者本人の身体状況や家族の状況、住居環境などを確認。適切な介護ベッドを選定し、取り付けや調整を行います。
介護ベッドに活用できるその他の補助金・制度について
福祉用具貸与サービス以外で介護ベッドに活用できる補助金・助成金として、家族介護慰労金や介護休業給付金が挙げられます。これらの制度は、介護のために仕事を休む家族に対する支給制度であり、直接的に介護ベッドのレンタル・購入に関与するものではありませんが、受け取ったお金を介護ベッドのレンタル・購入費用に充当することは可能です。
また、自治体によっては介護ベッドなどの福祉用具を貸し出しする独自の制度を設けている場合があります。例えば東京都練馬区の場合、6か月間の貸し出しを限度に有料または無料で介護用ベッドがレンタルできます。
どのような補助金や制度が利用できるかについては、役所の介護保険担当窓口や地域包括支援センターなどに確認しましょう。
介護ベッドは補助金や助成金を活用しよう
今回は、介護ベッドを購入・レンタルする際に利用できる補助金や助成金についてご紹介しました。
私たち『広島介護用品』では、理学療法士のスタッフがケアマネージャーさんとともに介護を受ける方に最適な介護ベッドの選定を行っているため、一般的な福祉用具事業者以上の専門的な対応が可能です。例えば、介護ベッドの搬入時に、専門的な知見からご利用者様の起居動作やご家族への介助指導を行っています。
また、必要であれば、臥床状態におけるポジショニング(例:クッションを使用した楽な姿勢の提案など)を行うことも可能です。
なお、介護保険をお持ちでない方でも自費でレンタルいただくことが可能ですので、お気軽にご連絡ください。
福祉用具の購入・レンタルのご相談は『広島介護用品』へ
株式会社ミクセルは、“日本の文化と技術で長寿を喜び合える社会をつくる”を事業理念とし、福祉用具の販売・レンタル『広島介護用品』をはじめとするヘルスケア事業や研究支援事業、また海外での介護人材プロジェクトなども行っています。
広島県近郊にお住まいで、介護用具の購入やレンタル、住宅改修をご検討されている方は、ぜひ『広島介護用品』までお気軽にご相談ください。