【介護ベッド】サイズの種類と選び方は?表記方法や高さについても解説
今回は介護ベッドの種類やサイズ、高さについて解説します。またベストなサイズの選び方や、サイズ以外で気をつけたいポイントについてもご紹介していますので、これから介護ベッドのレンタルや購入を検討されている方は、ぜひ参考にご覧ください。
目次
介護ベッドの定義と種類について
介護ベッドは「特殊寝台」とも呼ばれ、高齢者や身体の不自由な方々に対するケアにおいて重要な役割を果たす福祉用具の一つです。高齢者など介護を受ける人だけでなく、介助する方々の負担を軽減することも目的とされています。
介護ベッドの定義
介護ベッドは、下記の2つの要件を満たすものと定義付けされています。
- サイドレールが取り付けてあるもの又は取り付けることが可能なもの
- 次の要件のいずれかを有するもの
- 背部または、脚部の傾斜角度が調整できる機能
- 床板の高さが無段階に調節できる機能
この他にも、日本産業規格(JIS)や国際規格(IEC・ISO)、消費生活用製品安全法などで、基本的な機能・性能などが標準化及び規制されています。
介護ベッドの種類
介護ベッドには主に手動タイプと電動タイプの2つのタイプが存在し、手動タイプはシンプルで価格もリーズナブルとなっていますが、文字通り手動で調整する手間が求められます。
対して電動タイプは価格が高いものの、自動で高さや傾斜角度が調整可能なため、被介護者の負担軽減に加えて、介助する側の負担を軽減する効果も期待できます。
介護ベッドのサイズについて
日本において、介護ベッドのサイズには特定の法的な規格が存在するわけではなく、各メーカーによってサイズや表記方法が異なります。ですが、サイズの考え方や大まか機能面についてはどのメーカーも共通していますので、ここでは介護ベッドのサイズの要素となる「幅・長さ・高さ」について、一般的な寸法をご紹介していきます。
介護ベッドの幅
介護ベッドの幅は80cm前後・90cm前後・100cm前後の大きく3つにグルーピングされており、メーカーや販売店によって表記や呼び方が異なります。具体的には、介護用ではない通常のベッドと同様にセミシングル・シングル・セミダブルと表記されることもあれば、長さも合わせた総合的なサイズとしてミニ・レギュラー・ロングと表記されることもあります。
また、この中で最も主流なサイズ幅は90cm前後のものです。
- 80cm前後
- 90cm前後(標準/レギュラー)
- 100cm前後
ちなみに、通常ベッドのサイズはセミシングルで80cm〜90cm、シングルで97cm〜100cm、セミダブルで120cmですので、多くの介護ベッド幅は通常ベッドのセミシングル〜シングルに該当するサイズだと考えて良いでしょう。
介護ベッドの長さ
通常ベッドの長さはシングルやダブルで変わることなく全て195cmとなりますが、介護ベッドの場合、180cm前後・190cm〜195cm・200cm以上の3つにグルーピングされるケースがあります。ミニ・レギュラー・ロングといった特殊な表記のされ方をしているのはこのためです。
また、この中で最も主流な長さは190cm〜195cmで、幅90cm前後・長さ190〜195cmの介護ベッドが標準サイズ(レギュラーサイズ)と呼ばれています。
- 180cm前後
- 190cm〜195cm(標準/レギュラー)
- 200cm以上
介護ベッドの高さについて
通常ベッドの一般的な高さはフレーム+マットレスの天面が40cm〜50cmになりますが、介護ベッドの高さは立ち上がりやすさや転倒リスクなどを考慮して40cm前後が一般的なサイズとなります。
ただし、この40cmという高さは介助者にとって作業しにくい高さのため、高さ調節機能や傾斜調整機能を活用して、介助しやすい高さに調整することが一般的です。介助しやすい高さは、介助者の身長の40%程度だとされていますので、例えば介助者の身長が160cmであれば64cm前後が作業しやすい高さとなります。
そのため、高さ調整機能がある介護ベッドの高さは40cm前後から60cm以上の間で調整できるように設計されていることがほとんどです。
- 40cm前後(標準)
- 高さ調節可能なタイプは40cm〜60cm以上
【介護ベッド】ベストなサイズの選び方
次に、介護ベッドのベストなサイズの選び方についてご紹介していきます。
サイズの選び方①:被介護者の体格に合わせる
介護ベッドのサイズ選びに迷った時は、まず被介護者の体格に合ったものから絞り込んでいきましょう。
身長 | サイズ | |
---|---|---|
幅 | 長さ | |
150㎝~160㎝ | 80cm前後/90cm前後 (ミニ・レギュラー) |
180cm前後 (ミニ) |
155㎝〜175㎝ | 90cm前後 (レギュラー) |
190cm〜195cm (レギュラー) |
170cm以上 | 90cm・100cm前後 (レギュラー・ロング) |
200cm以上 (ロング) |
サイズの選び方②:寝返りのしやすさや要介護度に合わせる
介護ベッドの幅は、被介護者の寝返りのしやすさや要介護度を考慮しなければなりません。自力で寝返りが可能な場合は、80cm前後のミニタイプはベッドから転倒する恐れがあるため、小柄な方でも90cm幅のレギュラータイプを選ぶと良いでしょう。
また、介護ベッドの幅が狭いほど介助しやすく、反対に幅が広いほど介助しにくくなりますので、自力で寝返りが打てない・要介護度が高い場合は80cm〜90cm幅のものがおすすめです。逆に要介護度が低く自力で寝返りが打てる場合や、ゆったりと使いたいという場合は、100cm前後でも問題ないでしょう。
80cm前後 | 90cm前後 | 100m前後 |
---|---|---|
要介護度高く(3〜5)、自力で寝返りが打てない | ||
要介護度が低く、自力で寝返りが打てる |
サイズの選び方③:部屋の広さに合わせる
介護ベッドを選ぶ際は、設置する部屋の広さも考慮する必要があります。介護ベッドを置くスペースだけでなく、被介護者がスムーズに移動できる動線や、車椅子・歩行器を置くスペース、介助者の作業スペースも確保しなければなりません。
部屋の広さについては、形状にもよりますが、ミニ・レギュラータイプであれば最低でも6畳、ロングタイプであれば8畳以上の広さが望ましいとされています。
また、ベッドの向きを頻繁に変えたい場合や、ベッドのまま移動したい場合、ベッドの下を掃除したいという場合はキャスター付きのものもおすすめです。
【介護ベッド】サイズ以外に気をつけるポイント
介護ベッドは、サイズ以外にも気をつけるべきポイントがあります。どのような点に気をつけるべきか、またどのような選択肢があるのかについてご紹介していきます。
ポイント①:モーター数
介護ベッドを選ぶ際に、サイズ以外に気をつけたいポイント1つ目は「モーター数」です。
モーター付きの介護ベッドはリクライニングや高さ調整などを自動で行うことができます。
一般的にはリクライニング(背上げ機能)と高さ調整機能の2モータータイプの介護ベッドが多いですが、むくみ防止や ベッドの背を起こした状態で座っているとき、体が足側へとずり落ちてきてしまうのを防ぐことを目的とする脚上げ機能を搭載した3モータータイプの介護ベッドもあります。
要介護度や身体機能、介護のしやすさ、予算に合わせて選ぶと良いでしょう。
ポイント②:デザイン
介護ベッドといえば、病院や介護施設にあるようなシンプルなデザインのものを想像される方が多いかと思いますが、木目調のお洒落なデザインや、和室に合うタイプ、洋室に合うタイプなど、様々なデザインの介護ベッドが販売されています。
最近では、通常のベッドと介護ベッドの境をなくしたスマートなデザインの製品も登場していますので、使用する環境やライフスタイルに合わせて選んでみましょう。
ポイント③:マットレス
介護ベッドに使用するマットレスにも固さや素材など豊富な種類があり、好みや機能、要介護度に応じたものを選ぶことができます。
例えば硬さに関しては、柔らかめのマットレスは寝心地が良く、床ずれしにくい反面、要介護度が低く、自立した生活ができる方にとってはやや不便です。そのため、要介護度が高い場合は柔らかめを、逆に低い場合は高めのマットレスを選ぶ方が多い傾向にあります。
また、撥水加工など介護する側の作業のしやすさや、電動ベッドに設置する場合は曲がりやすさも重要となります。
加えて、特殊なマットレスとして体位変換機能付きのものもあります。長時間寝たきり状態になっている方の床ずれを予防する目的のもので、空気圧によりマットレスが徐々に形状変化し体圧を分散する機能を持っています。
なお、電動ベッド自体に体位変換機能がついているものもありますが、介護ベッド利用後しばらくしてから寝たきりになるケースが多いため、一般的には途中で体位変換機能付のマットレスに変更して対応することが殆どです。
ポイント④:付属品
電動ベッドの利用の際は、合わせて付属品を選ぶことができます。基本的にはベッドサイドレールと呼ばれる、ベッドからの転落や寝具の落下を防ぐ柵が付属します。それ以外にも、介助バー付きサイドレール(ベッドから乗り降りする時の支えが付いた柵)やオーバーテーブル(食事や読書の際に活用する机)なども追加可能です。
介護ベッドのサイズ選びで困ったら『広島介護用品』へ
今回は、介護ベッドのサイズ表記と選び方についてご紹介しました。
私たち『広島介護用品』では、理学療法士のスタッフがケアマネジャーさんとともに介護を受ける方に最適な介護ベッドの選定を行っているため、一般的な福祉用具事業者以上の専門的な対応が可能です。例えば、介護ベッドの搬入時に、専門的な知見からご利用者様の起居動作やご家族への介助指導を行っています。
また、実際に使ってみないと合う・合わないの判断が付かない場合もございますので、こちらでご提案して試していただいた後、合わなければ交換することも可能です。
福祉用具の購入・レンタルのご相談は『広島介護用品』へ
株式会社ミクセルは、“日本の文化と技術で長寿を喜び合える社会をつくる”を事業理念とし、福祉用具の販売・レンタル『広島介護用品』をはじめとするヘルスケア事業や研究支援事業、また海外での介護人材プロジェクトなども行っています。
広島県近郊にお住まいで、介護用具の購入やレンタル、住宅改修をご検討されている方は、ぜひ『広島介護用品』までお気軽にご相談ください。