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【介護用品】手すりはレンタル可能!レンタル手順や費用目安

2024/4/11

今回は、介護用品・福祉用具の一つである「手すり」について、レンタル方法や費用目安、介護保険を利用した場合の手続き方法などをご紹介します。

記事の後半では住宅改修の方が向いているケースにも触れていますので、「購入すべきか悩んでいる」「レンタル・購入・住宅改修のメリット・デメリットが知りたい」「介護保険制度の利用方法がわからない」といった方は、ぜひ参考にご覧ください。

介護用品の手すりはレンタル可能

介護用手すりは多くの貸与事業者にてレンタルサービスが提供されています。また介護保険制度を利用すれば、通常の月額料金より安くレンタルすることが可能です。

介護保険制度とは、満40歳での加入が義務付けられている公的な社会保険のこと。65歳以上で要支援・要介護認定を受けた方、また40歳から64歳でも特定疾病(※)の発生が認められた方は、必要に応じたサービスの利用ができます。

介護用品に関するサービスは主に3種類あり、介護用品(福祉用具)が自己負担1〜3割でレンタルできる「福祉用具貸与サービス」、介護用品の中でレンタルに適さないものを同じく自己負担1〜3割で購入できる「福祉用具販売サービス」、そして在宅介護しやすい家に改修するための「住宅改修」となっています。

このうち手すりについては「福祉用具貸与サービス」と「住宅改修」のサービスを利用することが可能です。

設置したい手すりの種類や使い方によっては、レンタルした方が良いケースもありますし、反対に購入した方が良いケース、住宅改修した方が良いケースもあります。そのため、手すりを設置したい場所・期間・用途などを考慮して選択すると良いでしょう。

※特定疾病の考え方については「特定疾病の選定基準の考え方|厚生労働省」をご参照ください。

【介護保険制度】レンタルの対象となる要支援・要介護度

介護保険の福祉用具貸与サービスは、要支援・要介護度に応じてレンタルできる介護用品が限定されています。下記の表の通り、手すりは要支援1〜2、要介護1の方でもレンタルの対象となります。

種目 要支援1・2/要介護1 要介護2〜3 要介護4〜5
・手すり
・歩行器
・歩行補助杖
・スロープ
・特殊寝台
・特殊寝台付属品
・車椅子
・車椅子付属品
・床ずれ防止用具
・体位変換器
・移動用リフト
・徘徊感知機器
×
自動排泄処理装置(尿のみ)
自動排泄処理装置(上記以外) × ×

※対象外(×)となっている場合でも、要介護認定調査における基本調査結果をもとに例外としてレンタルが認められるケースがあります。詳しくは市区町村の窓口や担当のケアマネジャーにご確認ください。

参考:介護保険とは|厚生労働省

手すりをレンタルした方が良いケース

次に、手すりをレンタルするのに適したケースについてご紹介します。

ケース①:一時的に使いたい

介護保険を利用して手すりを設置するとなると、家屋調査から始まり、見積もり作成、部材決め、申請書類作成、役所への事前申請、認可を経てようやく施工にたどり着きますが、ここまでで最短2〜3週間かかります。この施工が終わるまでの間をつなぐために、一時的に手すりをレンタルするという方は多い傾向です。

また病院や施設から一時帰宅する際などにも、不要になればすぐに返却できるレンタルが便利だと言えるでしょう。

ケース②:手すりの設置工事ができない

賃貸住宅に居住している場合、手すりの取り付け工事ができないことが多いため、工事不要の手すりを採用します。

また、手すりを設置したい場所が壁から離れていたり、ドアやふすま、押し入れなどになっていて取り付け工事ができない場合や、取り付けたい壁に固定できる芯(柱)がない場合、住宅が古く強度上問題がある場合も工事不要の手すりが採用されます。

これから先、数年以上に渡って同じ手すりを使用し続ける予定だったり、1万円程度の簡易的な手すりを使用したいのであれば、レンタルより購入する方がコストパフォーマンスが良いでしょう。

反対に「身体状態が変化する可能性がある」「施設や病院などに入る可能性がある」といった場合は、レンタルの方が費用が抑えられますし、介護保険を利用すればさらに経済的な負担が減らせます。また、転倒の危険性が高く安定性が求められる場合は、簡易的な手すりは強度的に不安がありますので、安価とは言え避けた方が良いでしょう。

ケース③:手すりを持ち運びたい・調整したい

意図的に生活ペースに合わせて手すりを持ち運びたい場合や、位置を調整したい場合も、取り付け工事不要の手すりが便利です。

例えば、日中はリビングの便利な場所に置き、夜は寝室に移動するという使い方もできますし、ソファや椅子、ポータブルトイレなどの横に置いて立ち上がり補助として使うこともできるでしょう。

また、車椅子を使用するようになって廊下に設置した手すりが邪魔になったという声もあります。レンタルであれば不要になった際にすぐ返却ができますし、手すりを取り外すための工事も要らず大変経済的です。

レンタル対象の手すりとレンタル料金目安

レンタル対象の手すりとレンタル料金目安

次にレンタル対象の手すりとレンタル料金について見ていきましょう。

レンタル可能な介護用手すりの種類

レンタル可能な介護用手すりは、前述の通り工事不要なものが一般的で、介護保険を利用する場合は工事を伴わずに設置できる手すり以外はレンタルの対象外となります。

工事不要な手すりは、床に置いて使用する「据え置き型」と、突っ張り棒のように天井と壁に突っ張って設置する「突っ張り型」の主に2種類があり、それぞれ使用する場所や用途に応じて使い分けます。

据え置き型手すりは、

  • 手すりを移動させたい
  • ソファや椅子などの立ち上がり補助に使いたい
  • 姿勢の維持に使いたい
  • 設置したい場所に柱や壁がない

といった場合にお勧めです。

対して突っ張り型手すりは、

  • 上がり框のような段差があるとこに設置したい
  • 廊下などに長めの水平バーを設置したい
  • 高い位置で掴みたい
  • 壁がない場所に設置したい

といった場合に向いています。

レンタル料金の目安

工事不要な手すりの費用相場は、安いもので1万円前後、高いもので10万円を超える製品もあります。

レンタル料金の目安としては、例えば販売価格55,000円の手すりの場合で、月額レンタル料金2,700円前後、自己負担1割で月額270円前後となります。

【介護用手すりのレンタル料金目安】

介護保険利用の場合 自費購入の場合
月額レンタル料金 自己負担額
2,700円前後/月 270円前後/月 55,000円

介護用手すりのレンタル方法

介護用手すりのレンタル方法は、介護保険を利用する場合と、実費でレンタルする場合で異なります。

介護保険利用で手すりをレンタルする方法

介護保険を利用して手すりをレンタルするには、要支援・要介護認定を受けなければなりません。要支援・要介護度は被介護者がどの程度の介護を必要とするかを判定するもので、申請窓口は役所などにある介護保険担当や地域包括センターになります。

申請後の流れですが、自治体から派遣された調査員が自宅などに訪問し、被介護者の状態や家庭の状況などを調査します。その後、訪問調査の結果や主治医の意見書に基づいて判定が行われ、およそ1か月程度で要介護度区分の結果が通知されるという流れになります。

またこの際、介護保険認定に合わせて担当するケアマネジャーが決まります。以後、介護保険のサービスを利用する場合は全てケアマネジャーが相談窓口となり、ケアマネジャーが手すりのレンタル手続きを進めてくれます。

自費で介護用手すりをレンタルする方法

介護保険を利用せずに介護用手すりをレンタルする場合は、福祉用具貸与事業者に直接連絡をします。配送などの関係上、遠方にある事業者からはレンタルできないことがあり、レンタルできたとしても配送料が多く発生する恐れがあるので、近くにある事業者を探すのが良いでしょう。

自費で介護用手すりをレンタルするメリットは、使用場所を選ばないところにあります。介護保険を利用して介護用品をレンタルする条件に、原則として在宅介護で使用するという旨が含まれているからです。

そのため、「介助が必要な親が数日だけ泊まりにくる」など、利用者の住居以外で一時的に必要になった時に、役所での手続き不要でスピーディに、さらに短期間だけレンタルできるのは自費レンタルサービスの嬉しい点だと言えます。

住宅改修にて手すりを設置するのが良いケース

住宅改修にて手すりを設置するメリット

最後に、介護保険が利用できるもう一つのサービス「住宅改修」にて手すりを設置する方が適しているケースについて見てみましょう。

レンタルの場合、使用当事者となる被保険者が亡くなられたり、施設入所された場合は返却しなければなりません。一方で、住宅改修だと一度設置すればずっと使用することができるので、例えばご夫婦で持ち家に居住されている場合などは、レンタルよりも住宅改修の方が適していると言えます。

また費用面に関して言えば、レンタル費用1年分で住宅改修時の負担割合の額を超えるので、1年以上使用する予定であれば住宅改修の方がお得です。

さらに、工事不要の手すりと比べて壁や柱などにしっかり取り付けますので強度も上がりますし、高級感ある見た目になるのも住宅改修のメリットでしょう。

住宅改修については「介護保険による住宅改修|広島介護用品」で具体的な費用などもご紹介していますので、参考にご覧ください。

手すりの購入・レンタルで迷ったらプロへご相談を

今回は、介護用品の一つである手すりのレンタルについて解説しました。

私たち『広島介護用品』では、理学療法士がご利用者様の身体機能面や家の環境を踏まえ、髙さ・設置位置・向きなどを考慮して最適な製品を選択し、さらに動作指導もさせていただきます。

例えば身体に左右差(片麻痺や側弯、関節症など)がある場合、設置する位置も重要な要素になりますし、目的場所までの動線(例えば寝室からトイレまで等)を見て、どこにどのタイプの手すりが必要かなども、専門的な知識と経験を持って考えます。

広島県近郊にお住まいで、介護用品・福祉用品の購入やレンタル、手すり設置などの住宅改修をご検討されている方は、ぜひ『広島介護用品』までお気軽にご相談ください。皆様が健康で安全に過ごせる生活環境作りをサポートさせていだきます。

福祉用具の購入・レンタルのご相談は『広島介護用品』へ

福祉用具の購入・レンタルのご相談は『広島介護用品』へ

株式会社ミクセルは、“日本の文化と技術で長寿を喜び合える社会をつくる”を事業理念とし、福祉用具の販売・レンタル『広島介護用品』をはじめとするヘルスケア事業や研究支援事業、また海外での介護人材プロジェクトなども行っています。

広島県近郊にお住まいで、介護用具の購入やレンタル、手すり設置などの住宅改修をご検討されている方は、ぜひ『広島介護用品』までお気軽にご相談ください。皆様が健康で安全に過ごせる生活環境作りをサポートさせていだきます。

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